本日は松浦先生にお題をもらいました。
高校野球の監督が、試合中に選手の脱臼をはめることについてどうおもうか?と。
此方についてどう思いますか?っというもので。
ツイート自体は今月ですが、実際の動画は二年前のもののようですね。
では、私見をまとめてみたいと思います。
資格とやっていい事悪いことが、なんとなくイメージが付くと思いますので。
結論から言うと
非常によろしくないと考えます。
一応これを書くにあたり、高野連、およびその高知支部に電話したのですがつながらず(高知支部はグーグルの番号が間違えていた(笑))、とりあえず検索した部分で書いていきますね。
追記:野連本部にはつながりましたので内容を変更します
これをなさった監督について検索したところ、医師や柔道整復師免許を持っていないように思えます。
ということは、無免許で医療行為を行ったということです。
医学知識のない方からすれば、肩が治ってよかったねかもしれませんが、とんでもない話です。
無免許で高速道路を運転してきた高校生をほめるようなレベルの蛮行といっていいと思います。
そもそも肩の脱臼とは
聖路加病院のサイトの記載を引用します。
腕を後方に強く捻られたり、肩を横から強くぶつけるといったスポーツ外傷により上腕骨頭が関節から前方に脱臼(外れる)や亜脱臼(外れかけて自分で戻る)を生じた病態です。完全に脱臼すれば上腕骨頭が関節内に戻るには病院で医師により整復する必要がありますが、自然に関節内に自然に整復される場合や痛みだけの場合もあります。安定化させる関節包靭帯や関節唇といった構造が損傷することが原因であり、さらに関節周縁に骨折が生じてさらに強い痛みが生じることもあります。その後脱臼しやすくなり、脱臼を繰り返す可能性があります。
脱臼自体が、関節から骨が外れる状態を指しますが、外傷性(けがによるもの)の場合は、
周りの組織を傷つけていたり、骨折を伴う場合があります。
つまり、脱臼だけとは限らないということです。
脱臼の整復法
・骨折を併発していないか
・周りの組織は無事か
・神経や血管に問題は起きていないか
・ショック症状は出ていないか
これらを総合的に判断して、処置、または自分の手に余るときは速やかに専門機関に搬送
これがセオリーです。
ちょっと問い合わせた各所のどこにも電話がつながらなかったため、該当の監督さんが有資格者かは不明ですが、wikiを見る限りは違うようです。
仮に資格者であっても、
これはない。
本来全部はこれではないですが、なるべく負担なく行い、治す途中でも起こりうる骨折やその他二次災害を起こさないことが重要です。
そして、そのままプレーさせることがあり得ないです。
脱臼は再発率がそれなりに高く、場合によっては、軽い衝撃でも脱臼してしまう状態になることもあります。
と書いていくと、単なる非難記事に見えてしまいますが、これはすでに過去のことです。
問題はここから先で、なんでこんなことが起きたのかを考える必要があります。
要因1:甲子園大会の重み
高校野球の強豪校の目的は、全国大会に出て、更新球場で活躍する/優勝を目指すことが最も大きいと思います。
特に、選手は三年ですが、監督は長年その重責に耐えながら、選手を育て、試合に勝ち続ける義務を負うというのは想像を絶するプレッシャーだと思います。
くしくも今年、プロ注目の選手を試合に出さずに負けたチームの監督に賛否が出てましたよね。
勝ちたい、負けられない、っていう場面で、この選手が動けさえすれば・・・
それは誰の心にも兆す感情だと思います。
要因2、医療に関する一般の無知
動画を見る限り、荒療治ですが躊躇をしていないため、おそらく初めてではないのではないかと推測します。
というか初回であんな適当な操作をしたら大惨事です。
ということは、
1、日常的に脱臼の整復をしていた可能性がある
2、選手は反復性脱臼(繰り返し脱臼しやすい状態)であった
ということが考えられます。
骨折や脱臼に関する知識が浸透していなかったり、または、医療行為を一般の人間がやってはいけないという認識が浸透していない可能性が高いです。
要因3、対応する体制がないのではないか
もともと会場に医師などの配備ができていなかった可能性があります。
素人が見ても脱臼しているとわかる状況のため、医師がいればこのようなことは許さないはずです。
対策:けがは必ず救護班が診察する
さすがに違和感レベルは難しいと思いますが、明確にけがとわかる場合は、必ず医師が診察する仕組みを導入しておけばよいのではないでしょうか?
試合に出る出ないの判断を当事者にゆだねていれば、このような問題はなくならないと思います。
対策2:脱臼や骨折に対する理解をきちんと普及させる
これらはけがの中でも重症レベルのもので、おいそれと無資格者が処置していいものではありません。
原付のーへるで高速道路を二人乗りしてるくらいの認識を持ってもらえるように、指導者に講習を貸すレベルのことは必要だと思います。
電話がつながった。闇が広がった
とか書いてたら、電話がつながりました。
その結果、恐ろしいことが判明しました。
高野連さん曰く、一会場に一人は必ず処置できる資格を持った人間がいるとのことです。
医師ですか?突起たところ、ええ、はい・・・
との回答だったので、医師でない可能性もありますが、処置できる人間がいたことろ示唆しています。
骨折脱臼を法令上処置できるのは、医師と柔道整復師だけですので、どちらかがいると仮定すれば、専門家を差し置いて処置されたことになり、またそれが動画として残っているという放送事故の様相を呈してきました。
そうなってくると、これらの対応を徹底していなかった会場側に問題があるということになってきます。
※無資格者の処置は違法ですが、知らない中でやっている可能性もあるので、個別に批判はしません
なんにせよ、無資格者が医療行為をしちゃうことがこれだけこわいんだということがつたわりますでしょうか。
ジャーナリストではないのでこの辺りで筆をおきたいと思います。
投稿者プロフィール

- 4F整骨院 院長
- 4F整骨院院長
柔道整復師歴10年ちょい(国家資格)
趣味:読書(宮城谷昌光、歴史小説全般)、スポーツ観戦(野球:見るのは20年来広島、見てる時だけ勝てば良い派、サッカー、他メジャースポーツは守備範囲)
ズボンをよく壊す
整骨院のちゃんとした利用と、皆様の役に立つ情報発信に努めます。
たまに雑記も書くよ
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