整骨院の不正請求って何ぞや

本来のルールに反して医療費を請求して、お金をもらう事を「不正請求」といいます。
ニュースや新聞で取り上げられたり、エセ同業者が整骨院をDISる時に使ったり、
該当職の人間としては忸怩たる思いを抱くワードですが、いまいち単語と実情が乖離している
ような気がします。
今日は、不正請求ってそもそも何か?と、なぜ不正請求が起きるか?を
解説してみようと思います。
※最後の方に言及していますが、現在わざと不正請求しているところは少ないと推測しています。
整骨院=すべて不正請求とは考えにくいです。別に擁護記事でもないですけど。

不正請求は、具体的にどうやったら不正か

主にこんなところかと思います。
・通院日の水増し
⇒5日来ているのを10日来たことにして請求し、差額を着服。

かつて不正と言えばこれと、架空請求と言われていましたが、現在ではほぼないです。
なぜなら、医療費通知が家庭に届くので、目につくレベルの水増しをした場合は
証拠付きでばれます
また、現在は領収証の発行が義務付けられていますので、その段階で患者さんに
証拠を渡していますので、すぐわかっちゃいます。

・架空請求
⇒かつて来ていた患者さんのデータを使い、来ていたことにして請求。

↑と一緒で、医療費通知が家に届くのでばれます。
ばれるという事は整骨院界隈にも知れ渡っているので、よほどめでたい人でない限り
やることはないと思います。
そしてそんな人は、どの業種でもヤラカス人なので、カウントされても困ります・・・

・保険適用の操作
⇒保険適用でない症状を、ケガのように見せかけて健康保険を使用する

例えば・・・
①肩こりを捻挫として請求
②筋肉痛を挫傷として請求
等です。

これを防ぐために、現在は、整骨院に通った場合は保険組合などが皆さんに状況を
聞いたり書類を送ったりして、不正をしない仕組みが出来ています。
ただし、副作用として、問い合わせの内容が過激な組合などもあったりして、当の患者さんが
面倒くさくなり健康保険を使わないでくれと言われるケースもあります。

その中で、どういう人がやっているかを分類してみました。
大別すると、
1、知らない系
2、わざと系
3、患者さん関与系
4、お金の為系
に分かれます。
具体的に何が起きてるかは多分長くなるので次回に回したいと思います。

1、知らない系



これは、整骨院が、保険の取り扱う制度自体をよくわかってない場合に起きる状態です。
「なんで整骨院が知らないんだ!」と思う方、確かにおっしゃる通りです。
これは、教育制度の問題でして、昔の教育制度では、整骨院の開業資格である
柔道整復師を取得するために、3年間専門学校で学ぶのですが、実は、以前はは学校で
保険制度の取り扱い自体は習っていない人がほとんどでした。
つまり、ケガの治療法だけ学んで、業務自体は習っていなかったのです。

なので、資格取得後に修行先の先生に習ってやり方を学ぶケースがほとんどでした。
ここで歴史的な悲劇が起きています。
教える先生自体が制度を知らない問題です。
整骨院の養成学校設立に尽力してくれた先人たちの中には、整形外科の先生もいました。
特に某学校なんかはそうですが、そこの設立時の幹部の先生たちは、病院に住み込みで
技術と知識を磨いたそうです。
この経験はとてもすごかったようで、レントゲンなしでも骨折部の状態をぴたりと把握し、
正確に骨折を接ぐ事が出来たそうです。

しかし、修行先が病院という事が悲劇の発端で、
病院では大体の症状が保険適応なのと、整骨院の保険制度がよく浸透してなかった為、
筋肉、骨に関する事なら大概保険が使えるという状態が生まれてしまった
のではないかと、
私は推測しています。

年配の方が、整骨院は肩こりを安くもんでくれるところと思っているケースがままあるのですが、
ここが源泉ではないかと推測しています。
丁度その先生方の現役時代に整骨院に行っていれば・・・ありえるのかと。
そんな人の弟子が、制度を理解するのは難しかったのではないでしょうか?
現代よりも情報が取得しにくい時代でしたし、他がそれで通っていたら、自分も
倣うという行動に出ても不思議ではありません。
ベテランの先生の整骨院はいまだにこの傾向があるかもしれません。
ただし、ここ10年くらいの資格取得者の場合、知らない系というのは弁解の余地がありません。
現代では知らないでは通らない時代です。
知ろうと思えばどこでも知れますし、開業したり、管理者になると、各市区町村で、
集団指導といって、制度の概要を教わります。
ちゃんと全国の整骨院に周知され、皆さん(患者さん)も制度を理解していただければ、
この不正は撲滅可能かと思います。

2、わざと系



これが一般的に悪質な不正請求に分類されるもので、わざと保険を不正に使用してお金を
貰っている系のものです。
逮捕が多いのもこれで、交通事故なんかは金額も大きい上に調査もしっかりしてるので、
捕まることが多いようです。
交通事故に関しては、大量に解説できるような人間ではないので、こちらのブログ
参考になると思います(同業者の方じゃないと分かりにくいかも)。


3、患者さん関与系

これはさらに2つに分かれておりまして・・・
1)ほんとは保険範囲外だが患者さんに是非にとせがまれた
2)いくら請求してもいいから保険にしてよ
という感じです。ドッチもダメなんですけど、1)の場合はなんだか切ない香りもしますね。

4、お金の為系

1~3全部お金の為じゃないの?と思われそうですが、昔からやっているところは
1,3のパターンが多いのではないかと。
2はある程度重なっているとはおもいますけども。
そうすると、お金の為系は現在では少ないと考えます。
根拠としては、
・整骨院の医療保険は、現状不正をして十分なリターンを得られる規模じゃない
・お金の為の不正は、発覚しやすく、リスクもでかい
・そもそも雑な請求だと、今日び健康保険組合からはねられる
という所があります。
実際に、逮捕案件は、現在交通事故関係のことが多いのは、そちらの方が金額が
高い事が多いので、健康保険では、現状お金の為にあえてリスクを冒す
人も少ないのではないかと推測しますが、どうでしょう?

ざっくりこの4パターンが、不正請求の時に多いパターンだと推測します。
後は番外で、

 

昔と今では、整骨院に来る人の身体の悩みが変わっている

という事も大きい気がします。
昔はぶつけた捻ったが大半でしたが、今は、頭痛だったり、姿勢の問題だったり、
動きが悪い、肩が上がらない等の多岐にわたる悩みもあります。
こうなってくると、もともとの保険の制度と患者さんのニーズがあっていないケースも
ざらにあるという事があります。
だからと言って、ルールを捻じ曲げて保険を使う事はよくないことですが、ニーズが
変化してきているのですから、チャンスととらえてルールをしっかりと周知させること、
整骨院がルールを守って、保険外の症状にも真っ当に対応する事、
これが今後必要な要素なのかもしれません。

内容がアレなので、院のサイトに書くわけにもいかずここに解説記事とします。
書くきっかけとなった記事はコチラです。

投稿者プロフィール

院長
院長けやきの森整骨院 代表
4F整骨院院長
柔道整復師歴10年ちょい(国家資格)
趣味:読書(宮城谷昌光、歴史小説全般)、スポーツ観戦(野球:見るのは20年来広島、見てる時だけ勝てば良い派、サッカー、他メジャースポーツは守備範囲)
ズボンをよく壊す
整骨院のちゃんとした利用と、皆様の役に立つ情報発信に努めます。
たまに雑記も書くよ