健保連の償還払い議論で騒ぐより大事なこと

ちょっと前に、健保連の談話のニュースで治療院界隈が若干ざわつきました。

健保ニュース 2020年6月上旬号-Page5|けんぽれん[健康保険組合連合会]

健康保険組合が、整骨院の健康保険の支払い方式を受領委任払いの受付をやめて償還払いのみに移行しようというのがメインのお話です。

受領委任払いと償還払いについてはこちら

【健康保険】整骨院で健康保険を使うとき、何で謎の紙に名前を書くかご存知ですか?【受領委任払い】
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リンクなんか飛ばないという人のためにざっくり説明すると、

・償還払い・・・患者さんが整骨院や鍼灸院にかかった時にかかった費用を申請し、保険組合の審査で適正と判断された場合7割~9割が患者さんに償還される

・受領委任払い・・・おおむね上と同じだが、患者さんの代わりに整骨院や鍼灸院、マッサージ院が申請するので、院の立替払いになるためその場での窓口負担が少ない(実質負担は同じ)

という感じです。

これをうけて、反応した人たちの反応はおおむねこんなところでしょうか

・もともと受領委任払いなんていらなかったんや!

・患者さんに負担をかける償還払いはいかがなものか

・時代は自費だ!

・時代に合ったやり方を模索すべき

この中で、一番下を除くとすべて極論だと思うのですが、実際にどういう影響があるのか、そのあたりと、そもそもの話もしていきたいと思います。

受領委任がなくなる方向に動く論について

個人的にはそこまでのインパクトはないと思っています。

この談話自体が、自分たちの主張をしているだけである点(これは整骨院側も同じですので良しあしではないです。交渉事ってそんなもん)もそうですが、落としどころとして、鍼灸やあんまマッサージと同様に扱うという発言をしています。

柔整療養費も、あはき療養費と同様の制度とすることに、何ら問題はない。健康保険法の原則に則った支払方法に戻すだけのことであり、これを抑止する根拠はない。希望する健保組合が出れば粛々と実行する。

少し前に鍼灸・あんまマッサージの方でも受領委任払いが導入された際に、健康保険組合は、受領委任払いを保険者の裁量で選択できるようにしているので、そこに合わせるのは合理性の上でもそこまで問題ないと個人的には思います。

 

平成30年5月には厚生労働省から保険者の審査を制限するかのような事務連絡通知が発出され、ホームページには一方的に不適切な患者照会を行っている保険者を通報する相談窓口が設けられた。

とあるように、自分たちの患者照会が不適切なものもあると認めていることですし、不適切な照会をするところは永久に治らないと思うので、そういうところは償還払いでも問題ないのかもしれません。

このページを通じて読み取れることは、組合員に対する配慮がない(患者さん視点の記載が、どの論旨をとってもない)ということなので、組合員の患者さんに対しては、申し訳ないですが協力していただくほかありません。

まあ、健保組合でもよくわかってないところはあるみたいなのですが

【実録】健康保険における償還払いを組合から断られた話
事件は藪からスティックに 整骨院で健康保険は、本来皆様が一度全額負担をし、自分で保険組合に請求する「償還払い」がおおもとの制度設計になっています。 それに対し、患者さんの負担分を整骨院が立て替えて、代わりに組合に請求する制度を「受領...

患者さんに負担をかける償還払いはいかがなものかについて

この場合の償還払いにおける負担がなにかということなのですが、

窓口負担であれば、それは少し勘違いです。

最終負担が一緒なのですから、別段償還払いが患者さんの負担であるということ自体は、そこまでの正当性は持ちません。

受領委任払いが後からできた制度なので、むしろ今までが優遇策だったんですよで終わりです。

しかし、それより負担をかけるのは申請方法です。

10割負担してください、それは良い。

では、申請方法を患者さんに伝えられますか?

一番の負担ポイントはそこです。

税金を使うので、書類の手間は仕方ない部分がありますが、では、その方法を最初から知っている患者さんはほとんどいません。

それであれば、その方法まで伝えられて初めて償還払いにしようかどうかって話なのですが、知らない施術者も結構多いです。

フォロワー少ない中、結構回答をいただき感謝です。

で、半数の人(SNSをアクティブに使って、多数のフォロワーを抱えているわけでもない一介のマンション整骨院の投稿に協力してくれる言っていい上のリテラシーのある方の中で)がやり方がよくわかっていないのです。

もっと多数が回答すると数字は変動すると思いますが、順位はおそらくあまり変わらないと思います。

むしろ40%弱がやり方を知っているというのは結構すごい。

少なくとも、新しい働き方を提唱している人を除いた一回の施術者レベルであれば、現在自体のことに首を突っ込むよりも、その前段階で制度をちゃんと知っておくことの方が重要です。

時代は自費だ!

時代は自費だ!にする場合にすることは一つです。

整骨院、接骨院、鍼灸、マッサージの看板を下ろして下さい。

これは、けが以外はうんぬんかんぬんという原理主義の話ではなくて、療養費制度を理解していません。

※理解している人があえて使う分には問題ありません

自費=自由ではないので、自信の療養費の範囲内の患者さんが来て、健康保険使用を希望した場合は、対応は義務です。

受領委任かどうかだけが、我々が選択できるのであって、後は適応と希望があれば従う必要はあります。

「おいおい、そうじゃなくて、保険以外の症状に自費なんだよ」

「施術者は自費で勝負」

という人は、確かにそうですが、であれば療養費の話には無関係なので、論点がそもそも違います。

この辺りもコンサルの弊害が出ているなと感じます。

自分の思想とルールはまた別物です。

まとめ

鍼灸と同じ方向になることには何の問題もない

患者さんの権利がという前に制度を理解しておこう

そもそもの部分を理解して、時代に沿ったやり方を模索しよう

 

 

投稿者プロフィール

院長
院長4F整骨院 院長
4F整骨院院長
柔道整復師歴10年ちょい(国家資格)
趣味:読書(宮城谷昌光、歴史小説全般)、スポーツ観戦(野球:見るのは20年来広島、見てる時だけ勝てば良い派、サッカー、他メジャースポーツは守備範囲)
ズボンをよく壊す
整骨院のちゃんとした利用と、皆様の役に立つ情報発信に努めます。
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