「保険使えないと高いでしょ?」

「保険使えないと自費でしょ?高くなるからなあ・・・」

違います。

保険適用外と、自費の施術はそもそも全く異なる地平にいます。

ただ、患者さん側もよく存じ上げないのは、治療院側の説明不足だと思うので、本日はがっちり解説します。

医療機関=保険という概念自体は正しい

病院は保険が使える、整骨院は保険がきく、これ自体は概念として正しいです。

自費治療院を謳っている整骨院や鍼灸院に関しても同様です。

どの医療機関でも、条件を満たしていれば健康保険が使えます。

どの医療機関でも、条件を満たしていなければ健康保険が使えません。

では、健康保険が使える条件って何でしょうか?

健康保険が使える条件、使えない条件

健康保険が使える条件は、以下のようになります。

1、保健所に届け出のある医療機関であること(美容外科単独は除く。電凸して確認済み)

2、患者側が健康保険を使用したい旨を申し出て、保険証を提出すること

3、患者側が保険料をきちんと支払っていること、また、保険証の資格を喪失していないこと

4、各医療機関ごとの適用症状であること

5、適用症状であると、医療機関側が判断(医師のみ診断)した場合

になります。

これらすべてを満たしている場合のみ、健康保険が適用できます。

どれか一つ欠けていても、健康保険は適用できません。

つまり、以下の場合は健康保険が使えません。

1、美容外科や整体院では健康保険が使えない

形成外科学会の記事を引用します。

簡単に言いますと、病気や外傷(ケガ)による障害を治療する場合には健康保険が適応されますが、美容上の理由で手術を受ける場合には健康保険は効きません。

昭和50年に形成外科が一般標榜科(形成外科の看板を出して良いと言うこと)として認められ、続いて昭和53年に美容外科が認められるようになりました。その後日本形成外科学会の絶え間ない努力により形成外科の治療対象や方法が少しずつ正当に評価され、それに伴って保険適応も拡大されつつあります。

健康保険では疾患や治療方法などにより細かく分類・点数化され、それに基づいて治療費の請求がされます。
逆にその点数表にない項目はすべて自費扱いになってしまいます。

すなわち形成外科が扱うすべての治療対象や方法が、健康保険の適応に認められている訳ではありません。
たとえば生まれつきの病気や変形の治療、外傷や熱傷(ヤケド)の治療、ガン切除後の再建手術などは健康保険の対象になりますが、二重まぶたの手術・シワとり術・豊胸術(胸を大きくする)・脱毛術などのいわゆる美容外科の手術や一部のレーザー治療は健康保険が効きませんので自費診療になります。

※レーザー治療に保険適応が認められている疾患は、太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑、単純性血管腫、外傷性色素沈着(外傷性刺青)などです。加齢性色素沈着(いわゆるシミ)や入れ墨は保険適応外です。

また喧嘩(ケンカ)や交通事故などの第三者行為によるケガ、仕事上のケガ(労災事故)も健康保険が適応されません。

一方健康保険制度を全然利用せず、自費診療のみの施設(病院・医院・クリニック)もあります。
自費診療の料金は各施設で自由に決めることができますので、各々の施設で異なります。自費診療は医師と患者の一種の取引ですので、美容外科の手術を受けられるのであれば複数の施設に相談に行かれて、治療法・料金・保証制度などを比較して慎重に選択するのが理想的です。

なお健康保険以外に育成医療制度や更正医療制度など治療費を公的に減免できる制度もありますので、最寄りの保健所などにご相談ください。なお、育成医療に関しては次項の説明をご参照ください。

 

2、患者側が健康保険での施術を希望して、保険証を提示しない場合は健康保険が使えない

→施術者側が勝手に、保険証を提示していない人の症状を保険取り扱いはできません。

仮に適用症状であってもダメです。

 

3、保険料を払っていなかったり、期限切れの保険証では健康保険が使えない

→保険証の期限が切れている=保険料を納めていない、または別の保険に切り替わっている可能性があるため、正しい保険証を持ってこない場合は全額負担になります。また、保険料未納の場合は、未納のため請求した保険料が差し戻されてきますので、ご自身で支払いをしてもらうことになります(やらないし、やり方知らない整骨院が多いので、知らない人多いかもです)

 

4、その医療機関ごとの適用症状でない場合は健康保険が使えない

整骨院であれば、肩こりや慢性の痛み、筋肉痛、少し複雑なところだと、病院でみてもらっているケガの併用(交通事故除く)

が適用でない症状の、代表的なものになります。

 

5、施術者、医師から見て適用症状でない場合

→患者側が希望しても、適用症状外の健康保険使用はできません。

整骨院で肩こりや筋肉痛、慢性的な痛みに対して健康保険が使えないのもこのためです。

健康保険が使えない状態となると、選択肢は以下になります。

1、全額負担で健康保険の施術を受ける(健康保険適用外)

2、自費の施術を受ける

3、この症状で健康保険が適用になる医療機関に再度行く

4、帰宅

ここで、1と2が何が違うんだ、となります。

ここからが、もっと大事なところです。

保険施術と自費施術の大きな違い

 

それに対し、自費施術の大きな違いは、

もともと健康保険と関係がない施術内容である

という点です。

例えば、整骨院で整体とか矯正とかやっているところも結構ありますが、基本的に全身をみたり、いろいろなところのバランスを整えたりしますよね。

ということは、足くじいたら固定して、腰ぐきっとやったらさらしまいたりテーピングしたりの健康保険と、

もともとやってることが違う

のであります。

都合のいいこと言っているんじゃないかって思う人もいると思うので、厚生労働省のサイトを見てみましょう。

厚生労働省見解:整骨院の健康保険でのかかり方

柔道整復師の施術を受けられる方へ

保険を使えるのはどんなとき

  • 整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む。)の施術を受けた場合に保険の対象になります。
  • なお、骨折及び脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。

治療をうけるときの注意

  • 単なる肩こり、筋肉疲労などに対する施術は保険の対象になりません。このような症状で施術を受けた場合は、全額自己負担になります。
  • 療養費は、本来患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求をおこない支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復については、例外的な取扱いとして、患者が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」という方法が認められています。このため、多くの整骨院・接骨院等の窓口では、病院・診療所にかかったときと同じように自己負担分のみ支払うことにより、施術を受けることができます。
  • 柔道整復師が患者の方に代わって保険請求を行うため、施術を受けるときには、必要書類に患者の方のサインをいただくことが必要となります。
  • 保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中は、施術を受けても保険等の対象になりません。

 

そして、国や組合が7割持ってくれている料金を足した総額が、

健康保険で本来発生している料金

であります。

仮に、3割負担で900円であれば、2100円国や組合が払ってくれているわけです。

結局3000円のお金が発生しているので、3000円としてみた時に、安いかどうかというのがポイントになってきます。

たまに、保険は別段安くない的なことを書いてますけど、それはこういうところに起因してます。

でもって、この場合、自費の施術が4000円だった場合、

3000円で健康保険の施術(患部のみ)

4000円で患部以外の症状を見てもらえる

どちらが良いでしょう?という話です。

 

ここの整理がついていると、なんとなく自費と保険が使えない健康保険の違いが付いてきましたかね?

まとめ

条件を満たすと健康保険が適用される

保険が使える=すべて見てくれるわけではなく、条件を満たした部分しか施術はできません

7割分他の人が払ってなかったとしたら、安いかな?

自費最高っていうことではなく、そもそも性質が違いますよってことで

投稿者プロフィール

院長
院長4F整骨院 院長
4F整骨院院長
柔道整復師歴10年ちょい(国家資格)
趣味:読書(宮城谷昌光、歴史小説全般)、スポーツ観戦(野球:見るのは20年来広島、見てる時だけ勝てば良い派、サッカー、他メジャースポーツは守備範囲)
ズボンをよく壊す
整骨院のちゃんとした利用と、皆様の役に立つ情報発信に努めます。
たまに雑記も書くよ