整骨院側が交通事故を扱う際、割と大々的に出しているところほど、この文言を使います。

治療院を選ぶ権利はあくまで患者側にあります!

病院では電気とシップだけ!整骨院なら根本から治せますよ!

交通事故専門を謳う整骨院には、この表現があふれかえりすぎてて、かえってうさん臭さを醸し出している今日この頃ですが、果たしてこの表現は正しいのでしょうか?

正しくありません。

これをやればやるほど、その整骨院は信用を無くし、そこに通っている患者さんも信用を無くします。

この表現の何がいけないのか、こういう整骨院に事故に遭ったときに通っていいのか、今日はそんな話です。

誤解を生みそうなので、最初に注釈

交通事故のケガで、整骨院へ通うことは問題はありません。

交通事故のケガで、整骨院に通っているケースは多く、判例上も通ってはならないというものは原則ありません(見てないだけかもしれませんけど)。

また、医師と併用することによって、皆さんにもメリットはあると、中の人として断言します。

ただし、医師を否定したり、交通事故は整骨院が率先して治すところ、又はそのイメージを吹聴して回ることは、整骨院、ひいては皆様にとって、絶望的なマイナスであると判断し、本記事を書いています。

※当院に弁護士はおりませんので、現在の通院に関しての個人的な相談はお受けしかねます、ご了承ください。

仮に解決できる案件でも、弁護士法に抵触するため回答不能であります。

自由に医療機関を選んでいい法律は存在しない

まず法的根拠の観点からすると、厳密には、患者側が自由に医療機関を選ぶ権利を保障した法律はありませんでした。

一番まとまって見やすかったサイトはこちらだったのですが、引用すると、

 

*医療における基本権

1) 医療に対する参加権

2) 知る権利と学習権

3) 最善の医療を受ける権利

4) 安全な医療を受ける権利

5) 平等な医療を受ける権利

6) 医療における自己決定権

7) 病気及び障害による差別を受けない権利

*患者の権利各則

1) 自己決定権

2) 説明および報告を受ける権利

3) インフォームド・コンセントの方式、手続き

4) 医療機関を選択する権利と転医・入退院を強制されない権利

5) セカンド・オピニオンを得る権利

6) 医療記録の閲覧謄写請求権

7) 証明書等の交付請求権

8) 個人情報を保護される権利

9) 快適な施設環境と在宅医療および私生活を保障される権利

10) 不当な拘束や虐待を受けない権利

11) 試験研究や特殊な医療における権利

12) 医療被害の救済を受ける権利

13) 苦情調査申立権

このうち、

3) 最善の医療を受ける権利

4) 安全な医療を受ける権利

5) 平等な医療を受ける権利

が根拠っぽく見えますね。

最善で安心で平等な医療を受けるために交通事故専門治療をしている整骨院があります、それを選ぶ権利は皆様にあります!という論理展開は一見あってるっぽく見えなくも無きにしも非ずの心の魂です。

どこにも、医師の治療に不満であれば整骨院を自由に選んでいいとは一切書いてありません

これらの考え方のもとになっているのは、たぶんリスボン宣言です。

  • 良質の医療を受ける権利

  • 選択の自由

  • 自己決定権

  • 意識喪失患者の代理人の権利

  • 法的無能力者の代理人の権利

  • 情報に関する権利

  • 秘密保持に関する権利

  • 健康教育を受ける権利

  • 尊厳性への権利

  • 宗教的支援を受ける権利

wikipediaより引用です。

余談ですが、これは1981年に宣言されたようですね。同級生です。

気が向いたら、同級生はリスボン宣言とプロフィールに追加しようと思います。

これはあくまで宣言であり、やはり法的根拠とはなりえません。

だから転院はゆるさない!という事ではありませんが、どこに通おうが自由だ!とするのはかなりの無理筋です。

一般的には、それでも医師の診断に納得いかない場合は、転院、セカンドオピニオンは認められている傾向にあります。

注釈がいるのは生活保護の頻繁な転院ですが、本稿ではあまり関係ないので割愛します。

というわけで、整骨院を自由に選んでいい権利を保障した法律はありませんでした。

事故と通常のケガとの違い

自損事故はまたややこしくなるので割愛しますが、通常交通事故は

自分と、自分以外が原因として発生するケガ

であります。

つまり、第三者、相手がいることがあります。

その場合、過失によっては、相手が治療費を負担することが起きてきます。

つまり、賠償の観点が入ります

相手がいて自分がいるので、過失によって、治療費などなどの費用が必要かどうかを互いにやり取りします。

この際に、誰が治療費などを証明するかというと、

分が相手方に証明しま

この辺の観点は民法709条に書いてあります。くわしくはこちら

その際に、必要なことは、その治療が必要かどうかの証拠があるかどうかです。

その証拠がなかったり、杜撰であれば、当然保証はされません。

「なんかいい感じに治療してもらったから100万ください」

だめですよね?

どんな症状があって、それを証明するのは何で、誰がそれを証明したかという話です。

証拠のうち、重要なのが、誰が提出する証拠が重視されるか。

ダントツで医師になります

なぜなら、日本で診断をする権利があるのは医師だけだからです。

逆転裁判的な世界にならない限り、医師の証拠が意味ないという事はあり得ません。

本来、交通事故を専門にされてる宣言をしているくらいなので、適当に名乗ってない限り、これは確実に知っているはずで、そうであるならば、

「病院はシップと電気だけ」

との表記は出てこないことになります。

相手がどう思うかの視点を持とう

繰り返しになりますが、交通事故のケガの場合、相手がいるケースが多いです。

相手がけがをする、事故だから当然起こります。

治療に行く、それはそうです。

病院はシップしか出さないから、もう行かない!交通事故専門治療院にいく!

って言われたら、怪しくないですか?

少なくともチェックします。

さらに、実際問題レントゲンをはじめとした診断もできませんし、

まさか、超音波エコーを使って診断(違法)・・・はしないでしょうし

整骨院で超音波を使って画像診断できるのかい?できないのかい?どっちなんだい?

患者さんからも、専門って言ったのに、診断もできません。ってなるとびっくりしてしまいます。

言い過ぎは自分たちの信用を無くします。

医師免許を取るまでは、あまり変な事は言わないことが良いです。

医師免許があれば、診断できるので、診断し放題です。

ただ、広告には法律の制限があるのでお気をつけて。

一般的に考えても、何かの悪口を言う人は信用が出来ない

日常生活でも、人の悪口を言う人って信用できないですよね?

病院の悪口を言うってことは、自分は信用を無くします宣言をしているようなものです。

咎めるのは、犯罪行為だったり、重篤なマナー違反をしている場合にとどめるべきです。

自分だけの信用がなくなるのはまだよいですが、通っている患者さんまで信用がなくなるケースに該当してしまうので、

・医師はシップだけ

・整骨院は根本から治せる

なんて表現は慎むべきです。

整骨院が出来ること

・患部に対する施術

・施術状況の記録

・医師への報告、相手方への証明書類の作成

・カルテ記入

・患者さんへの状況説明

おおむねこんなところでしょうか。

特に、病院より受付時間が長かったり、医師ほどえらくないため症状について言いやすい等、整骨院だからできることも確かにあります。

しかしそれは、医師の診断あっての話です。

あくまで補助、サポートの立場になります。

リハビリのやってない病院で診断を受けている場合なんかは、整骨院がリハビリを一手に引き受ける場合もあるでしょう。

そこをしっかりやればいいと思います。

医師は敵でなく、患者さんの治療環境の為にはなくてはならない存在です。

場合によっては、患者さんが病院に対して不満を漏らすことがあるかもしれません。

その誤解を解くことができるのも整骨院しかいません。

一緒になって悪口を言ったり、行かせないような事がないようにしなくてはなりません。

2018年現在、こんなことを出しているサイトがまだあるという事は、現在進行形で整骨院の信用が落ちているという事です。

一日も早い信用回復がなされることを願います。

何言ってるかわからない方は、12月に何言ってるかわかる勉強会があるのでチェックしてみてください。

 

 

投稿者プロフィール

院長
院長けやきの森整骨院 代表
けやきの森整骨院院長。
柔道整復師歴10年ちょい(国家資格)
身体に役立つ情報と、整骨院の本来のルールを発信し、間違った利用(肩こりで健康保険など)をなくし、筋肉、骨の専門家として整骨院が信頼されるよう取り組んでいる。
2017年ズボン3本破壊、チャック一回破壊(不可抗力)。
元読書家で歴史小説に目がない人。
少年・青年漫画限定で意味不明に詳しい。
同名の整骨院の活動には関与していません