根本治療を掲げる治療院さんの表現でかなり多いのが、
「○○はマッサージするだけで治らない。根本的な治療は当院へ!」
みたいなものですが、2017年にアメリカで発表されているガイドラインを見る限り、そんなことはないようです。
今日はこの情報をシェアして、「マッサージでは治せない」は本当かを考えたいと思います。
アメリカのガイドライン2017
日本の腰痛ガイドラインは2012年に出ていまして、今回のアメリカのガイドラインは2017年になります。
5年の年月はあるので、最新の方を取ろうと思います。
以下、引用※翻訳機能を使っているので、変な表記があるかもしれません。
メソッド:
委員会は、ACPグレーディングシステムを用いて、2015年4月までに腰痛の非侵襲的薬理学的および非薬理学的治療について発表された無作為化比較試験および系統的レビューの体系的レビューについて、これらの勧告に基づいている。更新された検索は2016年11月まで行われた。臨床結果には、腰痛の軽減または排除、背部特異的および全体的機能の改善、健康関連QOLの改善、仕事障害および仕事への戻りの減少、背痛のエピソードの数またはエピソード間の時間、患者満足度、および有害作用。
対象読者と患者集団:
このガイドラインの対象読者にはすべての臨床医が含まれ、対象となる患者集団には、急性、亜急性または慢性腰痛を有する成人が含まれる。
勧告1:
急性または亜急性の腰痛を有する患者の大半が治療に関係なく時間とともに改善することを考えると、臨床医および患者は、表面熱(適度な質の証拠)、マッサージ、鍼灸、または脊髄操作(低品質の証拠)による非薬理学的治療を選択すべきである。薬理学的治療が望まれる場合、臨床医および患者は、非ステロイド性抗炎症薬または骨格筋弛緩薬を選択すべきである(中程度の証拠)。(グレード:強い推薦)。
勧告2:
慢性腰痛患者のために、臨床医および患者は、運動、多分野のリハビリ、鍼、マインドフルネスに基づくストレス軽減(中程度の証拠)、太極拳、ヨガ、運動制御訓練、進行性弛緩、筋電図バイオフィードバック、低レベルのレーザー療法、オペラント療法、認知行動療法、または脊椎操作(低品質の証拠)を含む。(グレード:強い推薦)。
勧告3:
非慢性腰痛患者では、非薬理療法に対する反応が不十分であるため、臨床医および患者は、第1選択療法として非ステロイド性抗炎症薬、第2選択療法としてトラマドールまたはデュロキセチンを用いる薬理学的治療を考慮すべきである。臨床医は、前述の治療に失敗した患者のオピオイドを選択するだけで、潜在的な利益が個々の患者のリスクを上回り、患者の既知のリスクと現実的な利益について議論した場合にのみ検討するべきである。(グレード:弱い推薦、適度な質の証拠)。
勧告別に解説しようと思います。
勧告1、解説
急性または亜急性の腰痛を有する患者の大半が治療に関係なく時間とともに改善することを考えると、臨床医および患者は、表面熱(適度な質の証拠)、マッサージ、鍼灸、または脊髄操作(低品質の証拠)による非薬理学的治療を選択すべきである。薬理学的治療が望まれる場合、臨床医および患者は、非ステロイド性抗炎症薬または骨格筋弛緩薬を選択すべきである(中程度の証拠)。(グレード:強い推薦)。
ポイントは、大半の腰痛は、時間とともに改善=ほっといても治るという事です。
しかし当然良くならないものもあるので、その際に推奨される治療法についての記載があります。
先ず、適度な質の補償がなされているエビデンスとしては、表面熱という用語があります。
これたぶん翻訳したので翻訳コンニャクの問題だと思いますが、アイシング自体には、現在強いエビデンスが無いので、これは温めると解釈します。
アイシングに関しては今度記事にしようと思います。
そしてその次ですが、マッサージ、鍼灸、又は脊髄操作が、低品質の証拠ですが有効とされています。
文面的に、薬を使わない療法として選択すべきとの記載なので、中々オススメされています。
あれ?マッサージ推奨されてますね?
マッサージでは治らないと検索すると、100万件以上のヒットがあります。
結構この表現をしている治療院が多いという事なんですが、どこも、根拠を出してないようです(上位30件しか見てませんが・・・)。
鍼灸、脊髄操作(マニピュレーションや、その後脊椎操作という記載があることから、カイロのことを指してると思われる)と同列に並んでます。
また、薬は非ステロイドが推奨されていますね。
勧告②解説
勧告2:
慢性腰痛患者のために、臨床医および患者は、運動、多分野のリハビリ、鍼、マインドフルネスに基づくストレス軽減(中程度の証拠)、太極拳、ヨガ、運動制御訓練、進行性弛緩、筋電図バイオフィードバック、低レベルのレーザー療法、オペラント療法、認知行動療法、または脊椎操作(低品質の証拠)を含む。(グレード:強い推薦)。
コチラは主に慢性の腰痛対象になってます。
・運動
・鍼をはじめとしたリハビリ
・ストレス軽減
の三本柱が大事だよという感じでしょうか。
前段からの流れで考えると、他分野のリハビリの中に、マッサージも含まれていると思われます。そして脊椎操作が出てきました。
リハビリという観点では、我々整骨院も役割がありそうです。※慢性の場合は健康保険は使えません。」
慢性症状にカイロプラクティックも有効という認識で良いと思います。
運動の記載があるあたり、
治療丸投げより、自分で出来る事をやった方が回復に良い
と言えるのではないでしょうか?
レーザーや、認知行動療法なんかも有効のようです。
認知行動療法は、2012年の日本のガイドラインでも有効との記載があります。
勧告③解説
勧告3:
非慢性腰痛患者では、非薬理療法に対する反応が不十分であるため、臨床医および患者は、第1選択療法として非ステロイド性抗炎症薬、第2選択療法としてトラマドールまたはデュロキセチンを用いる薬理学的治療を考慮すべきである。臨床医は、前述の治療に失敗した患者のオピオイドを選択するだけで、潜在的な利益が個々の患者のリスクを上回り、患者の既知のリスクと現実的な利益について議論した場合にのみ検討するべきである。(グレード:弱い推薦、適度な質の証拠)。
コチラに関しては投薬についての記載になる為、特にいう事はないのです・・・。
マッサージは治せないは誤り
研究統計において、マッサージは効果がないという記載はなく、むしろ効果があるとのことです。
少なくとも腰痛に関しては、マッサージは効果があるという事で良いと思います。
逆に、マッサージでは治らないという文言の治療院は、統計データを読んでないか、無視している可能性が浮上してしまいました。
特定の院や組織に対して同行する気持ちは全くありませんが、患者さんに不利益な情報が拡散し、結果、マッサージ師という国家資格者の名誉が
不当に傷つけられているのは健全な状況ではないと思い、検証してみました。
投稿者プロフィール

- 4F整骨院 院長
- 4F整骨院院長
柔道整復師歴10年ちょい(国家資格)
趣味:読書(宮城谷昌光、歴史小説全般)、スポーツ観戦(野球:見るのは20年来広島、見てる時だけ勝てば良い派、サッカー、他メジャースポーツは守備範囲)
ズボンをよく壊す
整骨院のちゃんとした利用と、皆様の役に立つ情報発信に努めます。
たまに雑記も書くよ
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